APAアワード2025入賞・入選の皆様、誠におめでとうございました。
昨年同様、世界情勢のますますの混迷、円安、物価の高騰等々の影響を受け、応募点数は大きく減少するのかと心配しておりましたが、まずまずの応募数となり安堵しております。
本年も前回と同じ傾向で東京を中心とした大企業の広告が非常に少なく、変わって地方の広告の多さと力強い作品が集まったと感じております。大企業のグラフィック広告が減って来ているのは広告メディアの変化だと思われますが、今後もその傾向は続くものと感じます。そういった中でも今回の入賞・入選作品は抜き出た本来の広告の良さ、骨太の作品が選ばれました。
経済産業大臣賞:岡 祐介氏 大塚製薬(株)「部長とは、」は、昨今一目に何かと判るタレントと商品を見せるような単純な広告と比べ、立ち止まって考えさせるポスターとなっています。そこには本来の広告のエンターテイメント性を思い出させてくれました。
優秀賞:瀧本幹也氏 サントリー食品インターナショナル(株)「サントリー天然水2024」は、テレビCMののどかな世界観をグラフィックとして上手に表現していて、見る人を和ませる映像となっています。
優秀賞・審査委員 太田和彦賞:平松信貴氏よるアート展の告知案内ポスター「僕は」は、ミロのヴィーナスの置かれている場所とキャンバスに描かれた「僕は」の文字によって、見た人に「???」と感じさせ、是非展示作品を観てみたいという仕掛けが見事です。
優秀賞:藤本遥己氏 新日本造機(株)「SNM 50-YEARS」は、硬派のオブジェクトを力強いライティングで写し出す表現が素晴らしいです。
美しい日本賞:すずきみわ子氏 山梨銘醸(株)「SAKE FROM THE LAND」は、青一色のトーンの中に日本酒のキレと清々しさが美しいと感じました。
審査委員長 白鳥真太郎賞:元 圭一氏 (株)濱﨑組「AIに、負けるな。」は、近頃のAIブームを逆手に取った表現が写真の良さと相まってニヤリとさせられました。
他の審査委員賞は各氏に委ねましたが、総じて素晴らしく良い結果だったと思います。
特選賞については今年は該当者がいない結果となり大変残念に思います。

白鳥 真太郎
公益社団法人日本広告写真家協会
会長