水島大介『おじいちゃんの写真集』
国内外で発行された写真集・作品集を、APA編集部がピックアップして紹介します。
水島大介がライフワークとして撮り続けた、祖父の穏やかで、質素で、美しい暮らしを収めた作品集。
被写体は、静岡県で暮らす96歳の祖父。畑で採れた野菜で作る優しい料理や、無駄を出さない生活の知恵と工夫、お墓参りを欠かさず、近所の人たちとの交流を楽しむなど、水島にとって、その暮らしはまるで、禅語の「吾唯足知(われ、ただたるをしる)」*を体現しているように見えたという。
写真集には祖父から水島あてに送られた手紙が幾つも登場し、互いを思い合う心の交流が見て取れる。写真家の孫が写した500枚を超える祖父との記憶の一枚一枚が、本当に豊かな暮らしとは何かを静かに語りかける。
タイトル:『おじいちゃんの写真集』
写真・著:水島大介
ブックデザイン:田中せり
出版年:2022年5月
価格:13,200円(本体12,000円)
仕様:A4変形(240×230mm)/368頁/上製本