APAアワード2025 展示会場Q&A
展示作品、作者への質問
Q 「SPOMENIK」 伏見昭宣 8枚組作品について:巨大な建造物が印象的でした。ロケーションは国外なのでしょうか。とても気になりました。
A 写真は旧ユーゴスラビア圏にあるスポメニックと呼ばれる戦争慰霊碑です。展示した作品はスロベニア、ボスニアヘルツェゴビナ、クロアチア、北マケドニアのものです。 ー伏見昭宣
Q 「The pale blue dot.」常岡海央 8枚組作品について:何故この題材を選ばれたのか知りたいです。
A 撮影対象となった方は北海道の礼文島で害獣指定されているトドの猟師の方です。トドが出現しない夏季などは漁師として主に活躍されていました。そんな中、漁師を引退する最後の年の漁に同行させていただき、漁師を続けてきた理由などをうかがいました。礼文島ではアイヌの時代から漁業が盛んで、それを受け継いできた彼なりの、島への愛情が故であると話していました。しかし、礼文島は有人国境離島ともいわれロシアの領空・領海侵犯が懸念されています。そこで、一人の漁師の想う島への愛と、平和を願う姿にはまる8枚の写真を選出しました。ー常岡海央
※5月初旬にAPAアワード2025のアーカイブを公開いたします。改めてWeb上で作品をご確認ください。
公募作品の選考について
Q 選出の過程はどの様な流れで行われているのでしょうか?ある程度見えると嬉しい限りです。
A 下記レポートをお読みいただくと、審査の様子が伺えます。
Q 組作品が多いのは何故ですか?
A 前年度の受賞作品を見て、応募者が傾向と対策をしてしまうためかもしれません。けれども、審査する側は傾向と対策を裏切ってくるものが現れるのをいつも期待しています。
広告作品について
Q 広告の写真とコピーは作者が別々なのでしょうか?
A 広告作品は、フォトグラファー、アートディレクター、コピーライター、デザイナーなど沢山のクリエイターが関わって作り上げられます。多くの場合、コピーはコピーライターが担当されています。広告作品部門の入賞入選作品で気になった広告がありましたら、『年鑑 日本の広告写真2025』をご覧いただくと、その広告制作に関わったクリエイターの方々をご確認いただけます。
後 記
これまでのアンケートでステートメントのご要望をいただいていたので、今年度初めて入賞者の希望者のみ掲出しました。文章から撮影意図や背景を知ることで、作品への深い興味や理解に繋がります。また一方で、言葉を提示しないことで、ただ写真だけに向き合い現れる感情や「わからなさ」を鑑賞者が抱える大切さが、そこに生まれます。沢山の応募作品の中から、審査を経て選ばれた作品を展示する公募展は、フォトグラファーにとっての作品発表の場としてだけでなく、やはり多くの方に見ていただくことで次の変化への刺激となります。上記、観客からのQ&Aへの回答も一つの試みとして公募展だからできることを考えつつ、これからもAPAアワードの成長と継続をしてまいります。
APAアワード事業部